三詠子さんの独り言

 スタッフUさんが更新しているアジィブログに、まったく更新していないアジィのホームページがリンクされています。
ホームページのコラムを久しぶりのぞいてみました。
2008年6月からの三詠子さんの独り言が掲載されています。
懐かしく読み直していると、2011年3月11日のコラムは改装したアジィの挨拶文を掲載していました。
あの大変な日に書いていたのですね。
 2012年11月8日には、カズオ・イシグロの本との出会いを書いています。
今回のノーベル文学賞の受賞は、カズオ・イシグロファンとしては、まさかの受賞におもわずガッツポーズをしてしまいました。
以前書いたコラムを読むのも面白いものです。 
 2009年2月のコラムには、トリノの旅で素敵なアクセサリー店との出会の事が書かれていました。
2016年2月は7年ぶりにこのお店の素敵なオブジェ、アクセサリーを買い付ける事が目的でトリノへ出かけました。
ところが、店は以前あった場所に無く、ボー然とたたずんでしまいました。
期待していた商品に代わるおもしろい商品を探して、寒いトリノの街を歩き回った事を思い出しました。
ふと、そのお店をGoogleで検索すると、なんとなんと、場所が変わって今もトリノに健在でした。
良かったです!! 
2018年2月はパリからアルプスを越えて、トリノへ素敵なアクセサリーとオブジェの買い付け決定です。
2009年2/3から2/7までのトリノの旅を「トリノ日記」と称して書いてます。
パソコンで観れますので楽しんでください。
しかし、つたない文章でよくもまあこれまで書いてきたものです。
お恥ずかしい限りです。       

三詠子さんの独り言

先月神戸へ出かけてきました。
東京では日々忙しくしている為、旅行先の時間が余った時はデパートを覗く事が多々あります。今回は三宮の神戸大丸に寄ってみました。
靴売り場をフラフラしていたら、シューズフィッターの方達がデモンステーションしていました。
私は子供の頃からなかなか靴が合わず、シューズフィッターの方に私の足を見て頂きたいとかねがね考えていました。これは良い機会と、早速見てもらいました。
30分から40分かかりましたが、自分の足について初めて解説をしていただきました。なんとわたしの足は「エジプト系ヨーロッパ人」の足だそうです・・・・!
日本の靴が合うはずがないと言いきられました。
なるほど、子供のころから遠足に行くと必ず親指を痛め、膿が貯まって手術をしたこともありました。
「あなたはどこかにヨーロッパの血が混ざっていますよ。」いや~~~九州福岡の田舎出身。
どこにもそのような血がまざる余地は無いのですが、思いあたるとすれば、ヨーロッパを一人旅していても、まったく違和感が無いと言ったところでしょうかね。
「あなたに合うのはヨーロッパの靴です。しかも土ふまずがしっかりしていて、運動選手の足です。すばらしい!」とべた褒めでした。
ちなみに菊池の靴のシューズフィッターの方で、「買わなくても構いませんよ。」と言われ、足の見取り図?も作ってくれて申し訳なかったです。
楽しい神戸での出来事でした。三詠子さんの足の見取り図、見に来て下さい。エジプト系ヨーロッパ人、もしかしてクレオパトラの血が・・・・・なんてね。

三詠子さんの独り言

今回のパリの旅は、いつも泊るモンパルナスのホテルにしました。
今回はいつもの検索サイトからの予約ではなく、他のホテル検索で予約しました。
通された部屋は、毎回泊っている部屋と全く違う道路沿いの部屋でした。
ホテル検索会社によって待遇が違うので驚きました。
しかし道路沿いでうるさいと思っていましたが、まったく外の騒音は聞こえませんでした。
素敵な事に、窓から見る風景はモンパルナス大通り沿い、VAVIN交差点です。
20世紀初頭、芸術家達の溜まり場であり、「エコール・ド・パリ」が形成された場所なのです。
有名なカフェ「Le・Dome」が見えます。
モンパルナス大通り沿いにはサルトルとボーヴォワールが暮らしていたアパートメントがあります。
私の10代の頃からの憧れ、モンパルナスの風景です!
いつもの部屋より狭くて質素でしたが、夜部屋を暗くし、ワイン片手に窓から外を眺め、19世紀末から20世紀初頭の世界中から集まってきた芸術家達の夜な夜な繰り広げられた喧騒を思い浮かべながら、今を生きるパリの人々の息遣いを感じ、東京での生活の現実逃避の時間を堪能している三詠子さんでした。
パリはすばらしい!

三詠子さんの独り言

今回は先にアントワープを訪問し、面白い商品を見つけて来たため、いつもと違い、のんびりとしたパリになりました。
寒いパリでした。
ゲントからタリス(超特急列車)でパリに入りました。ホテルはいつも泊るモンパルナスのホテルです。
到着した日の夕食は、ゲントの友人からベルギービールLeffe Royale をプレゼントされた為、市場でお惣菜を買って、ホテルで楽しむことにしました。
サンジェルマン・デュプレ駅近くのMarche Buciへ17時頃に買い物に出かけました。ある小さなお店の前に黒塗りの凄い車が止まっていました。そのお店から、帽子をかぶりカッコ良い高級なコートを着た紳士が、いかにも彼の秘書といった雰囲気の黒人の素敵な女性とこの小さなお惣菜屋さんからでてきました。彼の後ろからお惣菜を抱えた女性。運転手が凄い車のドアをうやうやしく開け、二人は車に乗り込みました。なになに、この店は美味しいに違いない!と、買う人達の行列に並びました。
イタリアンのお惣菜屋さんでした。私の順番になり、私は一人で食べることを告げて、ラザニアとピザを一人分切ってもらい、オリーブオイルに浸かっているチーズとニンジンのサラダを無事ゲット、ホテル近くのパン屋さんでバケットを買い、水、果物をスーパーで買って、最初のパリの夕食となりました。
ホテルの部屋には小さな調理台とレンジが付いていて、とても便利です。さてお味は・・・・さすがに美味しいお惣菜でした!
Leffe Royale も度数が高い濃くのあるビールです。1年ぶりのパリの最初の夕食は、美味しいビールとマルシェのお惣菜、パリのテレビ番組を見ながら、楽しい夜となりました。
Leffe Royaleは日本にまだ入ってきてないようです。東京に戻って、バールの店長の息子に写真を見せて、自慢していたら、何故持ってかいらなかったんだ、瓶だけでも欲しかったと怒られてしまいました。
パリでの残りの3日間のはなしはまた今度にしましょう。
Au revoir!

三詠子さんの独り言

2月にパリへ旅立つ事を皆さんに話すと、何故寒いパリへ出かけていくのかとよく聞かれます。
たしかに寒い季節です。昨年のパリは凍りついていました。
2月は仕事が一段落していて休暇が取りやすく、旅費やホテル代もシーズンオフで格安なので、行きやすいと答えています。
しかし2月は私にとっては特別な月です。
私は2月9日に生まれました。
2月は私の誕生月です。私にとって2月は一年の締めくくりなのです。
パリへ2月に旅するようになり、いつもパリで誕生日を迎えています。
パリのホテルの受付の人や、お店で買い物をしてリタックスの手続きでパスポートを見せると「Bon Anniversaire de la madame」と言われて、なんとなく嬉しい気持ちになり、一人ホテルの部屋で想い出に浸りながら、チーズを肴にワインを楽しむ誕生日でした。
今年は2月15日から19日までベルギー。20日にパリへ入ります。25日に東京へ戻る予定です。
2月9日の誕生日は乃木坂の「レストラン・ダ・ニーノ」での食事を娘と娘のパートナーからプレゼントされました。
そして私の大好きなシェフ、ニーノから薔薇とシャンパンのプレゼント。
何て幸せな誕生日でしょう!
スタッフからも大好きなワインをプレゼントされました。
2月9日誕生日東京にいるのも楽しいですね。
認知症の母から午後6時頃仕事場に電話がかかってきました。
「お誕生日おめでとう。あなたはこの時間頃に産まれたのよ。」
「良く覚えていますね。」
「あたりまえよ。私が産んだんですもの。」
「わたしを産んでくれて、母さんありがとう!」母は電話口で嬉しそうでした。
また2月、私の節目です。
63歳までのたくさんの想いでに浸る為にヨーロッパを旅してきます。
お土産話を是非聞きに来て下さいね。アジィの店頭は春ですよ!

三詠子さんの独り言

やっと秋らしくなった今日この頃です。
読書の秋という訳ではありませんが、英国の作家カズオ・イシグロの作品を読み漁っています。最初の出会いは「わたしを離さないで」でした。
1960年生まれのカズオ・イシグロは、5歳まで長崎で生活し、父親の仕事の関係で英国に渡り、英国で教育を受けた後、1982年に英国へ帰化した作家だという事を、本を読み終えて知りました。
英国作家として世界で活躍している彼は、当然英語で作品を書きます。日本では、彼の作品は日本語に翻訳されて出版されています。
英国人である彼に、日本人の両親に育てられた日本人としてのアイデンティティーはどこにあるのだろう・・・と興味があります。
先日本屋さんでカズオ・イシグロの作品「遠い山なみの光」を見つけ、ぱらぱらとめくっていたら「二キ」と言う名の登場人物が目に留まり、早速購入しました。
私が飼っている猫の名前が二キです。
14歳の黒猫で、媚を売らない可愛げがない猫ですが、私にとっては最愛の二キです。カズオ・イシグロが二キの名前を小説に登場させていることで、この作品に親近感を覚えました。
作品のなかの「二キ」は主人公の女性と英国人の夫の間に生まれた娘の名前です。
つい二キをダブらせて擬人化して読んでしまっている自分がとても可笑しかったです。
作品はカズオ・イシグロの生まれ故郷長崎と、英国の田舎町が舞台となっています。
主人公も長崎生まれの女性です。この作品を読み終え、カズオ・イシグロに対しての私の疑問が徐々に解けてきました。
この作品を読み進める内に、まるで小津安二郎の映画を見ているような錯覚を覚えてしまいました。
主人公の淡々とした日常から生み出される会話から、深い闇に包まれ、時と共に解放されていく様を丁寧に描いている作品の言葉まで。当然英文で書かれたはずの作品なのに、翻訳されたこの作品に深い感銘を受けました。(ニキの名前だけではありませんよ!)
是非読んで欲しい作品です。
現在は「日の名残り」を読んでいます。
この作品も面白いです。
読者の秋。
皆さんに読書をお薦めします。

三詠子さんの独り言

いよいよ秋の到来です。
さてさて今年のアジィの作品を皆様に気に入って頂けるか不安な毎日が始まります。
今年の2月3月の展示会での商品を見る中で、2012年の秋2013年の冬のアジィからの皆様へ提案を模索します。
私の展示会での服の選び方は、常にアジィの服に対しての基本的な考え方が根底にあります。
服は主役ではありません。
主役はアジィの服を楽しんで頂いている皆様です。
物語の主役である皆様の脇役として、お手伝いをさせて頂きたいと願ってセレクトしております。
さてさて半年かけて作られたこの子達に私の想いを詰めて、アジィの店頭に登場しますよ!
アジィをこよなく愛する皆様、今年の秋冬もアジィの服を楽しみつつ、素敵な物語の主人公になることを願っております。
人生は短いです。
あっと言う間に過ぎ去ります。
いつまでもいつまでも物語の主人公でいてくださいね。
アジィの服を脇役に人生を楽しんでください。
アジィの山口さんは2013年の春夏のセレクトを、休みを返上して仕事にいそしんでいる今日この頃です。

三詠子さんの独り言

パリへの旅は11回目になります。
何度行ってもパリは違う顔を持っていて、行くたびにパリの奥の深さに驚きと感動を覚えます。
今回の宿はサンジェルマン・デュプレの近郊のプチホテルにしました。ヴィクトル・デュリュイ高(公立高校)が近くにある為、下校時間に鉢合わせになると、たくさんの若者の集団に出くわしました。いろんな肌の色の若者たちが楽しげに歩いています。さすがに移民の多いパリです。

地下鉄からホテルまでの通りにはシネマのポスター店や古い東洋の建物の映画館などがありました。ポスター店に興味があり立ち寄ってみると、なんとこのお店は全部本物のアンティックシネマポスターが置いてあり、ハリウッド映画からフランス、イタリア映画等のポスターの目録がファイルされていて、そこから見たいポスターをお願いすると、おもむろに引き出しからだして見せてくれます。ものすごい量で圧巻でした。本物と出会えるパリをまたもや実感しました。

私はアジィファッションを楽しんで頂きたいと願って毎シーズンセレクトし、皆様に提案しています。しかしめげる事も多々あります。年に一度ですが、自分がファッションの仕事をしている事の誇りを取り戻すためにパリを訪れ、パリのエネルギーを吸収してアジィへ戻ってきます。私はファッションに対しての想いがあります。ファッションは必要品でも日常品でもない、贅沢品だと常々考えています。贅沢な本物をアジィのお客様に届けているかの確信を持ちたい為にパリを訪れます。ファッションはこの商品が何故欲しいか、なぜ必要なのかなどの理由を正当化する必要は無いと考えています。だからこそ美しいのです。頭で考えるものではなく、心で感じて欲してと願っています。

私はパリでたくさんの本物と出会う事で、私の感性が磨かれる事を願い、パリの街をさまよい続けています。私の感性によって、セレクトされた商品を皆様が楽しんでいただければ幸いであり、大きな喜びです。
今回のパリの旅も、とても沢山の本物に出会えて最高でした!

三詠子さんの独り言

今年は寒波のパリをさまよってきました。日中も氷点下のパリは初めてです。早朝にパリに到着したため、宿泊するホテルへ荷物を預け、ルーブル美術館へと向かいました。肌を差すように冷い空気が溢れているパリ。
ルーブル美術館への途中のコンコルド広場に観覧車が回っていました。寒波のパリで誰も観覧車に乗っていませんでした。つい私は観覧車からのパリを見たくなりだれも乗っていない観覧車へ乗ってしまいました。大きな観覧車に私一人かと思いきや・・・対面の観覧車席へ黄色いアノラックを着た白人のおばさまが一人乗っていました。観覧車から降りると、その人が私に「日本人?」と聞いてきました。彼女は、アメリカ・ニュージャージーから友人二人と、初めてパリへ観光に訪れたとの事。友人はブランド物を買いに出かけ、私は興味がないので散歩していたと話してくれましたきっと、寒波のパリで観覧車に乗るおのぼりさんがもう一人いたと言う親近感が嬉しかったんでしょうね。ランチに誘われてしまいました。断るのは失礼だと思い一緒にランチを楽しむ事にしました。
コンコルド広場の近くのブラッスリーに入りました。フランス語と英語のメニューを渡されたので、彼女に任せて同じ物を注文しました。そこで初めてパリ名物お皿いっぱいのステック・フリット(ステーキ)を食べました。美味しいかって?いや~~肉でした。
彼女の息子が3年前に福井県大野市で英語を教えに来日し、彼を訪ねて日本へ来日した事。京都・大阪・福井へ行った事。桜の季節に訪問して本当に日本は美しい国であり、大野の人々がとても親切で素晴らしい人たちだった事を懐かしく話してくれました。この方は日本を訪問するにあたって、地方の人達との交流を味わえた事はとても素敵な経験でしたね。
寒波のパリでこのような経験を味わって日本を知ったアメリカ人に会えた事は、これからの9日間パリ・ベルギーへの旅の始まりの、楽しい予感を感じました。
しかしアメリカ人はどんな所でもアノラックとコッパンなのです。ふと、フランス映画「パリ ジュデーム」を思い出しました。
(後日談ですが3月14日にニュージャージーの彼女から二人でブラッセリーの食事風景を撮った写真を添えて手紙が送られてきました。)

三詠子さんの独り言

ミラノを旅した時の出来事です。
ランチしようとレストランに入りました。
席に着くと、男性4人と女性3人の年齢は30代から50代の職場のお仲間といった雰囲気の人達が入ってきました。
イタリア男らしいお洒落で陽気な男性達と、セクシーで大人の匂いを醸し出す女性達。
ランチと共になんと、ワインが4本運ばれ皆飲み始めました。
とても楽しそうなランチの風景です。
仕事の時間が迫ってきたためか一人去り二人去りと、ランチの宴会が終わったのは一時間過ぎでした。
私はその楽しそうな光景を見ながら、イタリア語はまったく分からないので、どんなおしゃべりをみんなしているのかを想像し、ワインを飲みながら観察していました。
???彼等は午後はお酒が入っての仕事なんですよね。
ユーロ圏での経済破綻はギリシャに継ぎ、イタリアが取りざたされています。
その報道を聞くたびにあの日の楽しいランチの光景を思い出してしまいます。
アリとキリギリス。
私はキリギリスの人生が好きですね・・・だからヨーロッパが好きなのかな。